痛みは身体の声―痛みの効用について―

 

痛みの効用とは

今回は、痛みに関する話です。

 

「痛み」は、「苦しい」「つらい」「避けたい」もの。

腰痛や膝痛、頭痛、ケガなど身体の不調につきまとう「痛み」ですが、「痛いのがうれしい」という人は少数でしょう。

ほとんどの人にとって、痛いのはいやなものです。

 

しかし、痛みにも効用があります。

「痛い」という感覚はネガティブな作用だけではないのです。

それは、「痛み」は限界を教えてくれたり、様々なものを見直すタイミングを知らせてくれています。

まさに、身体にとっての声のようなもの。

 

例えば、身体を本来動いてはいけない方向へ動かすときにも痛みはありますが、それ以上無理をすると身体にダメージがあるというサインでもあります。

 

足をぶつけたり、ちょっとしたケガなどは、不注意や事故として扱われがちです。

しかし、もし繰り返し同じようなところをぶつけたり、ケガをしたりするならば、身体の使い方の習慣、歩き方に原因があるかもしれません。

また、長く続く痛みや、よく起こる痛みは身体からのサインだと考えたほうがよいのです。

 

そのサインとは「自分らしく身体を使っているかどうかを習慣から考えてみては?」という身体からの声なき問いかけ。

身体は自分の限界を言葉で表現することができません。

言葉のかわりに「痛み」という形で表現しているのです。

 

痛みを上手に活用して健康を取り戻すには

痛みが出たときに、見直してほしいのは、身体の使い方や習慣についてです。

・身体の一部だけを酷使していないか。

・負担がかかるような姿勢をしていないか。

・不規則な生活をしていないか。

・食生活が偏ってはいないか。

・運動不足になっていないか。

など、思い当たる部分があることもあるでしょうし、そうでないこともあるでしょう。

気が付かなかった、あるいは、気づかないふりをしてきた部分と向き合う機会をつくってくれるのも「痛みの効用」と言えます。

 

痛みが出たならば、せっかくの機会ですから、丁寧に振り返ってみるのをお勧めします。

 

本当は、痛みが出る前に気が付くことができるとよいのですが、ついつい症状が出るまで放置してしまうことも多いもの。

 

「痛みは苦痛」だという考えもありますが、「痛みによって気づくこともある」と考えを切り替えてみると、痛みを使って健康を取り戻すことにもつながります。

 

日常生活の中では、身体の無理な使い方をしていても、なかなかそのことに気が付くことが難しいことでしょう。

痛みは「このままの使い方では身体に負担がかかる」と知らせてくれる声なのです。

 

痛みのある部分から身体全体へ 視点を広げる

このときにうまく痛みを利用するためのポイントとしては、痛みのある部分ではなく、身体全体について考えるということです。

 

痛いときには、その時に痛みのある部分だけを考えがちです。

膝が痛ければ膝を、腰が痛ければ腰について考えるというように。

 

実際には、痛みがあるところだけに問題があるのではなく、身体全体のなかで無理がかかっている部分に痛みが出ていることがあります。

 

ですから、身体全体の使い方を整えるという考え方をおすすめしているのです。

それは、対処療法的ではなく、根本から身体について見直すことでもあります。

 

ぜひ、「痛み」を上手に使って、身体の使い方を見直し健康になるための機会としてください。

 

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