新年度が始まり、新入生、新社会人となる方々や、新しいことに挑戦してみようと思い立つ方の多くなる時期となりました。

多くの人は目標を立て、それに向かって努力することでしょうが、
その中に「休息をきちんと取る」という目標を立てている人は、どのくらいいるでしょうか。

休むことを目標にするという人は、いないとは言いませんが、
恐らく非常に少数派だと思います。
子供に、今年の目標は何か?と尋ねて
「きちんと休むこと」
という返事が来たら驚くでしょう。

休息は、誰もが当たり前に行うこと。
わざわざ意図的にするものではない。

……というのが、私たちの中にある、ごく一般的な常識ではないでしょうか。

 

ボディワークという仕事をしている中で思うことは、
休息がいかに私たちのからだのパフォーマンスを左右する要素であるか
ということです。

休むことも仕事のうち、という言葉をよく聞きますが、
これは単なる気休めでも精神論でもなく、
からだにとっては本当のことなのです。

休息は、放っておいても取れるものではありません。
意図的に、休息の時間を作りだしていく必要があるのです。

忙しくて休む暇なんて無い、という人ほど、尚更です。
そういう人は、時間ではなく質を改善するのです。

そのためにも、今回は
「そもそも休息とは、からだにとって如何なるものか」
を語ってみようと思います。

 

我々ピタゴラスの手では、
「からだとは、私に最も近しい他者である」
と定義しています。

この観点から休息の持つ意味を考えると、
休息とは、
「からだが、私の手から離れて、自由に活動できる時間」
というふうに表現できます。

以前のブログでも睡眠の持つ意味を語ったことがあると思いますが、
「からだが、からだ自身のために自由に使える時間」
という観点で睡眠の意味を見ると、どうなるでしょう。

 

ご存知のとおり、私たちが眠っているあいだも、
からだは休んだりはしていません。
それどころか、起きているとき以上に活発に動いていたりもするのです。

睡眠中に、脳が記憶の整理を行うという話を耳にしたことがある方も多いのではないかと思います。

脳だけではありません。
運動によって傷ついた筋肉の修復も、睡眠中により積極的に行われます。
成長期における身長の伸びは、睡眠中に起きやすいと言われています。

まさに、からだじゅうのあらゆる個所が、
「睡眠という、からだがからだの都合で自由に動ける時間」
をフルに使って、
現在起きている不具合を修正し、より正常な状態に整えられるよう、
積極的に活動しているのです。

その活動時間を確保するのが、私たちにとっての休息、
あるいは睡眠と呼ばれている時間なのです。

24時間という限られた時間を、自分一人で独占するのではなく、
からだという隣人と分け合おうという意識を持つことが、
より良い休息の第一歩ではないでしょうか。