前回、前々回と、私たちは知らず知らずのうちに緊張を溜め込んでおり、
そのサインとして

『必要以上にお腹がすく』

『トイレが近くなる』

『寝汗をたくさんかく』

ということが起きやすくなる、という話をしました。

 

これらは、私たちが生命活動を行ううえで欠かすことのできないものですが、
それが過剰になってしまうと、生活そのものに支障が出てきてしまいます。

過度な空腹を満たすために、満腹以上に食べ過ぎてストレス太り。

出かける前にトイレに行ったはずなのに、電車のなかでお腹が痛くなる。

ゆっくり眠ろうと思ったのに、寝汗で目が醒めてそのまま朝まで寝つけない。

こういったことが続けば、私たちはさらにストレスを溜め込み、
それが原因でさらに緊張状態が続いて交感神経が活発になる。

からだは、それとバランスと取ろうとするために、
副交感神経を活性化させようと空腹、排泄、発汗を誘発させる。

健康体であるがゆえに起きてしまう、悪循環です。

 

これを解消するためには、やはりどこかで一度、
悪いサイクルを断ち切ろうとする必要があるでしょう。

断ち切る方法は、端的に言ってしまえば休息を取ることです。

しかし、一口に休息と言っても、人によってその方法は様々ですから、
一概にこうすれば良い、というものはありません。

 

とはいえ、方向性としての目安はあります。

空腹、排泄、発汗。

これらは、からだがバランスを取るために行うことです。

ということは、こういった現象を促進させることを、
自分の意思で趣味やレジャーの一環として行えば、

からだは、『わざわざ生活に支障をきたすようなレベルの生理現象を起こす必要は無くなる』ということです。

たとえば、自分の好物の美味しいものを食べに行く。

たとえば、運動をしたり温泉に行ったりして、たっぷり汗をかく。

結果的には、どこにでもあるような一般的な休日の過ごし方、
のような答えになってしまいますが、
そういう結論に行きつくのには、
ちゃんとしたわけがあるのだ、ということです。

 

他にも、

感動系の映画を見て、思いっきり泣くと心のデトックスになる

という話も聞きますが、あれもそうです。

泣く、という行為も、実は副交感神経を活性化させるのです。

日々の生活で緊張を溜め込み、
交感神経が活発になりすぎているところに、
泣いて副交感神経を活性化させることでバランスを取る。

泣くとリラックス効果がある、と言われるのはそのためです。
からだにとって、バランスが取れるのです。

 

そして最後は、そもそもの根本的な解決として、
過度な緊張状態から離れてしまうことです。

その方法の最たるもののひとつが、ずばり睡眠です。

溜め込んでしまう緊張の原因は、
実は目から入ってくる大量の情報であることが多いと言われています。

それを解消するための最短ルートは、
目を閉じて外界からの情報を遮断してしまうことです。

となると、寝るということは緊張から解放される
早道であると言えるでしょう。

 

以前のブログでも、

睡眠は、からだが健康という資産を
自発的に稼げる唯一の方法である

という話をしました。

緊張から離れるだけでなく、
健康も作りだせるというのであれば、
積極的に利用しない手はありません。

よく、寝てばかりいる休日のお父さんに、お母さんや子供たちが
「うちのパパは、休みはゴロゴロしてばかりいる」
と文句を言う……なんてシチュエーションを聞いたことがあるかもしれませんが、
それはつまり毎日の生活の中で一息つく暇も無い、
という証拠なのかもしれません。

 

世に多く溢れる健康法や、リラックス法。
それらは、それを発信する本人にとっては、間違いなく正しいものです。

しかしだからといって、それが本当の意味で万人に共通するかと問われれば、
違うと言わざるを得ません。

思考錯誤するのは良いことです。
色々なことを試して、より良い答えを見つけ出そうとするのは素晴らしいことです。

そして、そうであるならば、

「これは、私のからだに合っているだろうか?」

という問いかけを、常に忘れないで欲しいと思います。

からだは、言葉を直接発したりはしません。
しかし、様々な生理現象を通じて、言葉以上に強く自身の意思を表現します。

それを、からだからのメッセージと受け取るのか。
それとも、日常を乱すストレスの元だと敵視するのか。

 

私たち『ピタゴラスの手』が提唱するボディワークは、こうした一連の生理現象を

「からだからの声として捉えやすくする」

ことを目指して、日々精進を重ねています。

からだは『第一の他者』であり、『もっとも近しい隣人』です。

隣人とのより良い関係を築くコミュニケーションの取りやすい環境づくりもまた、
私たちの健康を支えるのではないでしょうか。