仕事を終えてオフィスを出た後、
「無性にお腹が減った」
「脂っこいものが食べたくて仕方がない」
そんな感覚を抱いたことのある方は、決して少なくないはずです。
もし、肉体労働をメインとする仕事をしている方なら、これは当然のことでしょう。
しかし、丸一日デスクワークをしていても、こういった状態になることはあると思います。
本来であるならば、デスクワークで消費するカロリー量など、
エナジーバーの1本でもあれば十分に賄える程度のものです。
にもかかわらず、無性にお腹が減って、どっしりとした重たいものが食べたくなってしまうのは、なぜでしょう。
これは、消化器系の活動が、体内の弛緩、リラックス作用を促す効果を持っているからです。
朝から夕方まで、何時間もデスクワークを続けていれば、
心身ともに重度の緊張状態になっても仕方ないことでしょう。
その緊張をほぐすために、からだは胃腸などの消化器官を活発に動かすことを求め、
それを長く続けるために消化に時間のかかるもの……すなわち、脂っこい食べ物を求めるのです。
いわゆる『ストレス食い』と呼ばれる症状の正体は、胃腸を活発に動かしてリラックス効果を上げようとする、
からだの作用のひとつなのです。
ふたつめは『排泄』です。
妙にトイレが近くなる、という症状が、これに当てはまるでしょうか。
先述の食欲に連動する話ですが、この排泄器官の活性化も、からだの中に弛緩、リラックス効果を生じさせます。
さっき水をコップ1杯飲んだだけなのに、なぜかトイレに行きたくて仕方がない……といった経験はないでしょうか。
これも先ほどの過食と同じです。
過度な緊張を溜め込んでしまっているとき、体内に排泄できるものがあれば、
それを使って強制的にリラックス効果を得ようと、からだが反応するのです。
スポーツの試合前、あるいはプレゼンの前など、なぜか何度もトイレに行きたくなるという話は、よく聞くと思います。
あの症状が、まさにこれです。