【男性諸氏、他人事だと油断している場合ではありません】
前回、お尻をキュッと締めることは、女性の身体にとっては百害あって一利なしということを書きました。
骨盤だとか、骨盤底筋、子宮などへの影響と聞くと、女性にとっては大切なことですし、男性としては「女性って、大変だな」などと思われたかもしれません。
が、男性にとっても他人事ではありません。
男性に子宮はありませんが、骨盤も骨盤底筋も存在します。
そして、男性の場合でも、こうした骨盤内環境の状況が違った形で健康にあらわれてくることがあるのです。
男性の場合、骨盤底筋の上には前立腺があります。
そして、この前立腺は、ある程度の年齢になると男性にとってはトラブルが多発する部分でもあるのです。
前立腺肥大、前立腺がんなどの言葉はときどき耳にされたことはありませんか?
実際にそうした症状以外にも、「おしっこの出が最近、悪くなった気がする」などの悩みを聞かれたこともあるかもしれません。
骨盤底筋を固める方向にもっていくと、男性の場合にはこの前立腺周辺に影響が出るのです。
前立腺は骨盤底筋の上にあり、その前立腺の中を尿道が通っています。
健康な場合の前立腺は栗くらいの大きさですが、骨盤底筋が固まる方向にいくと、循環が悪くなり、前立腺のトラブルにつながっていくことが多いのです。
例えば前立腺が肥大すると、前立腺が外側にも大きくなっていきますが、内側にも尿道を締め付けていくような動きをします。尿道が締め付けられますと、なかの尿の出が悪くなります。
そのために、「最近、おしっこの出がわるくなったな・・・」となっていくのです。
その状態がさらに進むと、病名がついていくような状態になることもあります。
こうしたことは、前立腺そのもののトラブルも考えられますが、骨盤内の環境をゆるんだ状態で維持できないことで起こっているとも考えられます。
男性の場合には女性のように「小尻に見せたい」といってお尻を締めている人は少ないでしょうが、仕事のこと、家族のことなど、ストレスにさらされる機会が多く、身体がいつも緊張状態にある人も多いことでしょう。
40歳前後から徐々に、仕事でより責任ある立場を任されたり、家庭の方でもお子様の教育、両親の介護など考えることが増えていきます。
知らず知らずのうちに、身体に負荷をかけていることも考えられます。
そうしたことを乗り越えるためにも身体を鍛えている方もいらっしゃいます。
ところが案外、「鍛える」ということは考えても、「適度にゆるめた状態にもっていく」ということは、発想にないものです。
年齢をとるにしたがって、身体の使い方の習慣、クセなどから身体を固める方向に行きがちです。
その結果、身体のトラブルが発生していくわけです。
「身体を鍛えていなかったからだ」「年齢のせいだ」などの原因も考えられますが、少し身体をゆるめてあげるだけで、身体に変化が起こることもあります。
身体のトラブルは決して単純に年をとったからというわけではありません。
よくない身体の習慣や使い方が長い年月の中で固まって表面化していくことで起こることが多いのです。
今回は身体の骨盤廻りについて書いてみましたが、そうした習慣を見直しながら、「鍛える」と「ゆるめる」の適度なバランスを保つことが、より長く健康に身体を使っていくことにつながります。
ぜひ、白金台「ピタゴラスの手」で長くおつきあいできる健康な身体を手に入れてください。
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